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特別連載 Vol.2

特別連載 Vol.2
スタイリスト 望月律子さんが選ぶオーヴィルの一着





ファッションやアート、ビジネスの世界で活躍している魅力的なゲストを迎え、ファッションについてお話しを伺う新連載。第二回目のゲストは、さまざまな大人ファッションメディアでご活躍の人気スタイリストの望月律子さんです。スタイリスト業と共に、完全予約制のファッションレンタルサロン「Allons-y」を南青山にオープンし、一般の方々に向けた特別な日の為の装いのアドバイスもされる望月さんのおしゃれの視点をお話しいただきます。


スタイリングの奥行きを出せる服



オーヴィル(以後 E表記) 今日はオーヴィルにお越しいただきありがとうございます。望月さんには2025年春夏コレクションも展示会でご覧いただきました。今回は12月公開の記事のため、2024年秋冬コレクションから望月さんに1着お選びいただきお話を伺わせていただきます。

望月律子さん(以後 M表記) よろしくお願いいたします。

E オーヴィルは2024年春夏にデビューしたばかりのブランドですが、どのような印象をお持ちですか?。

M この間拝見した春夏コレクションもそうですしこの秋冬もですが、レイヤーする楽しみがすごく想像できるブランドだと思いました。私は自分のサロンでお客さまに直接アドバイスさせていただく事も多いのですが、レイヤーと言うより単品の1+1でしかご自分でおしゃれができない方が多いと感じています。それ以上のスタイリングの奥行きがなかなか出せない。
オーヴィルのお洋服ってそのスタイリングの奥行きを出せる魅力があると思います。それでいて外しが強すぎない。絶妙なバランスでスタイリングが楽しめる。
皆さん今、シンプルなものをただ素敵に着るというよりは、もうちょっとモード感やこなれ感のようなエッセンスが欲しいと思っている。クワイエットラグジュアリーの時代でもあり、さりげなく、でもお洒落でモダンに見える。そんなお洒落の仕方が気分なのかなと思います。

E スタイリングの奥行きとは?

M 例えばインナー。胸元の開いているニットにどんなインナーに合わせるか?皆さんシンプルな物しか思い浮かばない訳です。もちろんそれも正解ですが、そこにもう少し今っぽい奥行きを出すならば、こんなシアーなスパンコールが入ったニットやタックブラウスなどを合わせていくことで、今までとは違ったリズムのあるコーディネートができます。
シンプルなものを素敵に着ることってめちゃくちゃテクニックが必要だと思います。年齢を重ねると余計難しい。お洒落は年齢ではありませんが、やっぱりカラダの丸みや髪の質感が変わってくる。そこで今までとは違うものを求めても何をどう変えていいかが解らない。だから安心安全と思えるシンプルないつも似たようなものを買い、ちょっとアクセサリーを足してみる方が多いのだと思います。
だから私はちゃんと着回し力があってレイヤードも提案できる、奥行きのあるお洋服が求められているとすごく思います。



E 望月さんがスタイリングでいつも大切にされていることを教えてください。

M 特に私のお仕事が大人ブランド&大人の媒体が多いので・・・実は年齢は関係ないのですが、オーヴィルのようなブランドのお洋服を一着買うことはスペシャルなことだと思っています。それをスペシャルな物としてだけで無く、日常でしっかり活躍させることが大事かと。日常からかけ離れた良さよりも日常の中で輝くことの方が自分自身も好きで、それはお仕事でも大切にしています。スタイリング提案もリアルクローズの中にある輝きとか、必要性みたいなところ。デザインの選び方やコーディネートなどですごく大事にしています。
例えばブランドバッグでも何かのご褒美に自分が買って特別な時にしか使わない。ジュエリーなども良くあることだと思います。でも私は、スペシャルなアイテムこそ日常の中で活躍させるのが格別だなって思っています


E 今日お選びいただいたアイテムについてお話を伺わせてください。
フロント部分にラップ風のデザインのパンツをお選びいただきました。

M はい、これは素敵!とトキメキました(笑)
パンツのシルエットは今シーズン、セミワイドやワイドがおススメです。でもこういうメンズ素材を使うとマニッシュになり過ぎるものが多いんです。上にふんわりしたブラウスやツイードジャケットを合わせるなど、コーディネートでフェミニン要素を足して着ることが多い。でもこのパンツはマニッシュでありつつ女性らしいエレガントな要素もあり、トラッド的要素をエレガントに昇華させています。コーディネートで何を合わせるかでいろいろなスタイリングを楽しめる。すごくシンプルなシャツを合わせたとしてもこなれた雰囲気になる。ニットで被せてしまったとしてもフラップのところを見せることでシンプルなだけではない魅力あるスタイルになります。



E お召しいただいたスタイリングのポイントは?

M はい、ブラウンとグレーのスタイリングです。私、色で見せるのが結構好きです。この後のコートの配色もオレンジ系のインナーとグレーを合わせてみました。
こういう色合わせは大人お洒落の楽しみだと思います。ニュアンシーな感じというのでしょうか。これが黒になるとよりマニッシュになるのですが、ブラウンを選ぶことで柔らかい印象になります。
自分のヘアや顔の作りがスタイリングをシャープし過ぎるときつく見えるので、女性らしさとか色っぽさみたいな要素も大切にしています。



E お選びいただいたグレーのバンツで2パターンの着回しスタイリングが完成しました。

M まずはコートスタイルですが、コートはやはりベーシックな色を選ばれる方多いと思います。そこにこんなスパンコールシアーニットで透け感や優しい色合わせを足すと奥行きが出てきます。コートを着るとどうしてもコートの印象が強くなるので、ちょっと遊びのあるスタイリングにしてみました。

白シャツにビックニットのスタイリングは、このワイドパンツにビッグニットのボリューミーなシルエットが凄くかわいいと思いました。私は元々トラッドなテイストも大好きなので、これはちょっと大人トラッドな雰囲気でコーディネートをしてみました。

E 素敵なお話しとスタイリングをありがとうございました!


<望月律子さんプロフィール>
ファッションスタイリストとして20年現役活動中。
小学館 Precious、集英社 eclat、WEB マガジン mi-mollet、ブランド広告、トークイベント出演やスタイリングイベントなども精力的に取り組む。
著書「望月律子の STYLING THEORY」がある。
2021年南青山に完全予約制のファッションレンタルサロン「Allons-y」をオープン。スタイリスト業と共に、一般の女性に向けた特別な日の為の装いを提案する。
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